6月25日(日)に開催した当会主催の医療講演会および遠隔医療勉強会ですが、定員を大きく上回るご参加を頂き、初の満員御礼です。 難病患者・ご家族、一般の方、遠隔医療関係者、医療関係者、企業、メディアなど、さまざまな立場の方がご参加下さいました。
■第一部 医療講演会
有馬寛先生(名古屋大学医学部糖尿病・内分泌内科 教授)のご講演『中枢性尿崩症~最新の話題も含めて~』では、中枢性尿崩症全般を正しく学ぶ貴重な機会となりました。
病気の成り立ちから、診断、治療、低ナトリウム血症および脱水のことなど、本来は難しい分野であるにも関わらず、豊富な図やイラストを交えながらわかりやすく教えて下さり、大変勉強になりました。特に、治療薬のお話は専門医ならではの内容だったので、今後の療養生活の中で非常に役に立ちます。
最新情報や名古屋大学で取り組んでいることなど最新の知識もしっかり学ぶことができ、素晴らしいご講演でした。
■第二部 遠隔医療勉強会
山野嘉久先生(聖マリアンナ医科大学 教授)のご講演『患者レジストリがもたらす難病医療の充実と新薬開発について』では、患者登録システム「HAMねっと」の仕組みなどを学びました。
全国に点在するHAM患者の情報を、患者会の協力を得て「HAMねっと」に集積することで、病態解明や新薬開発のみならず、生活の質向上や災害時の支援など、無限の可能性をもたらすことを知りました。また、キュレータ(コーディネータ)を置くなど、「HAMねっと」が円滑に機能するように、仕組みがしっかり考えられていることも素晴らしいと思います。
近い将来、国主導で難病全体の患者レジストリが整備されることも紹介があり、嬉しい期待でいっぱいになりました。
次に、石母田衆氏(HAM患者会 代表)のご講演『HAM患者会「アトムの会」の活動』では、患者会としてのこれまでの取り組みについて紹介がありました。
ご病気を持ちながらの活動は多くの困難も伴うと思いますが、多岐に渡る活動の1つ1つを地道に実現していく過程に、患者会を運営する立場としては学ぶことが多かったです。 終盤に石母田さんが語られた「次の世代の患者に同じ苦労をさせたくない」というお言葉には感銘を受け、思わずもらい泣きしそうになりました。
余談ですが、遠隔医療勉強会に関しては、関係者を対象とした「ネット中継」を行いました。
全国からアクセスがあり、質問フォームを通じネットからも質問が寄せられ、勉強会の幅が広がったと思います。勉強会の会場に来られるのは一部の方達なので、どんどん新しい発信方法にもチャレンジしていく姿勢が大切だと思います。
また、今回は山野先生、石母田さんを始め、ご参加下さった他の患者会の方や関係者などから「今後も繋がっていきましょう」とたくさんお声がけ頂き、嬉しいご縁も得た勉強会でした。