下垂体機能障害患者の災害対策について

下垂体機能障害(中枢性尿崩症含む)は災害に弱い病気

中枢性尿崩症(以下、CDI)は、災害に遭遇し、薬が使用出来ず、お水を十分飲めない環境に置かれると、脱水が進み、短期間で命の危険に陥ります。また、下垂体機能低下症も、薬が服用出来ないと、ちょっとしたストレスにも体が対応出来なくなり、急性副腎不全で、命の危険に陥ります。


東日本大震災における『災害時ホルモン補給支援チーム岡本』の活動

2011年3月11日、太平洋三陸沖を震源とした「東日本大震災」が起こりました。
そして、非常に深刻な状況に置かれたのは、被災地のCDI及び下垂体機能低下症の患者さんです。早期に支援が開始された透析や糖尿病などと違い、CDI及び下垂体機能低下症は患者数が少なく、世の中では病名すら知られていない疾患なので、国に対し、他の患者会と連名で早期の支援を求めた「要望書」は提出したものの、願いは叶いませんでした。

そこで、詳細は下記の資料を読んで頂きたいのですが、患者さんの尊い命を守る為、薬の提供を申し出て下さった奈良県の「岡本内科こどもクリニック」の岡本新悟医師と、薬を被災地に運んで下さった、早稲田大学の加納貞彦教授率いる「早大YMCAボランティア隊」を中心に、複数の患者会、たくさんの関係者が連携し、『災害時ホルモン補給支援チーム岡本』を結成、被災地に薬を届けました。
本来なら早期の支援の対象とはならない薬を、たくさんの関係者が連携することで、早期に届け、被災地の患者さんを救済するという、素晴らしい成果をあげたのです。

―『災害時ホルモン補給支援チーム岡本』に関する報告書及び記事―